The Making of TANZO

TANZO開発の
ものがたり

TANZO開発の物語

鍛造工場から生まれた、
唯一無二の調理道具。

自動車が走るための精密な部品をつくる鍛造工場。
その技術から、あなたのキッチンを変える一枚が生まれました。

心臓部で稼働するのは、世界でも類を見ない「エアスタンプハンマー」。
1,250℃にまで熱せられた鉄の塊に、約2,000トンもの圧力を一点に加えて不純物をはき出し、
鉄の純度を極限まで高めていきます。
この工程で、錆びにくく、強く、そして熱をムラなく伝える、
家庭用調理器具の常識を超える性能が宿るのです。

しかし、力だけでは“美味しい道具”は生まれません。
頼りになるのは、鉄の表情を読み、打撃力を絶妙に調整する職人「ハンマーマン」の経験と勘。
機械の力と人の技が融合することで、鉄はただの素材から、美味しさを引き出す道具へと変化します。

「複雑な形の調理器具を鍛造するのは不可能だ」

その常識を覆し、ヤマコーが世界で初めて実現したこの挑戦は、
鉄という素材の可能性を最大限に引き出します。
これは、単なるフライパンやボウルではありません。
料理に本物の美味しさをもたらす、鍛造技術の結晶です。

美味しさのための「黄金比率」
側面3mm、底4mmの理由

開発のはじまりは、常に使い手の視点に立つことでした。「鉄製品は重い」。その常識を覆すため、私たちはまず「薄く、軽く」することを追求しました。しかし、すぐに大きな壁にぶつかります。ただ薄いだけでは熱が伝わりすぎてしまい、食材の表面だけが焦げ付き、大切な旨味を閉じ込めることができない。軽さと、火入れのやさしさ。相反する理想の答えを探し、IH調理器での歪みという新たな課題にも向き合いながら、私たちは何度も試作を繰り返しました。

そして、ついにひとつの答えにたどり着きます。それは、径20cmのフライパンに対し、側面3mm、底4mmという、美味しさのための「黄金比率」でした。底面の4mmが十分な熱を蓄えて食材に均一に火を伝え、側面の3mmが絶妙な火の回りを実現する。これが、私たちが導き出した最高のバランスです。

黄金比率
TANZOと対話する What It Means to Have a Dialogue with TANZO_

TANZOと「対話」する
ということ。

純度が高い素直な鉄だからこそ、急な強火は少し苦手です。
まずは弱火でじっくりと。鍋全体が温まってから食材を入れ、余熱を活かして仕上げる。 それが、TANZOのポテンシャルを最大限に引き出すための“対話”の方法です。

あなたのキッチンの火力と、TANZOの個性を知り、ぜひ自分だけの使い方を見つけてください。

Company

会社概要

社  名 ヤマコー株式会社
住  所 〒578-0901 大阪府東大阪市加納4丁目3番26号
設  立 1952年5月1日
資本金 45,000,000円
代表取締役 山本恵津子
従業員数 37名(2025年4月現在)
事業内容 鍛造部品(熱間・冷間・複合鍛造・機械加工)
CFRP熱可塑成厚物成形(YTC工法)
主要取引先 (株)エクセディ、(株)椿本チエイン、THK(株)、(株)電業、(株)山下工業研究所、(株)テクノアソシエ、(株)ファルテック
URL https://www.yamaco-forging.co.jp/
TANZO https://tanzo-jp.com/
E-mail tanzo@tanzo-jp.com
TEL 072-965-5621
FAX 072-965-5513
Philosophy

企業理念

一生モノを、長く大切に使う。

私たちのものづくりの原点は、自動車をはじめとする、
わずかな誤差も許されない世界の鍛造技術にあります。
命を守るために培ったその技術で、今度は人々の暮らしに永く寄り添うものをつくりたい。
それが、私たちの新たな挑戦のはじまりでした。

大量に生産され、消費され、そして捨てられていくモノたち。
私たちは、そんな時代に疑問を投げかけます。
ひとつの道具を大切に手入れし、自分だけの風合いに育てながら使い続ける。
そんな愛着のある暮らしこそが、これからの豊かさだと信じています。

その想いを形にしたのが「TANZO」です。
「TANZOのある暮らし」は、単に製品を使うことではありません。
ひとつの道具と永く付き合うことで、結果として地球環境への負荷を減らす、
最もシンプルで本質的なサステナビリティの実践です。

私たちは、本物を求めるお客様の想いに応え、時代を超えて価値を失わない、
誠実なものづくりを続けていくことをお約束します。

President’s Message

社長メッセージ

山本社長

あなたの暮らしに
永く寄り添うものづくりを。

ヤマコーの三代目として事業を継承した時、私が心に決めたのは、私たちの鍛造技術で「お客様の暮らしを豊かにする」ものづくりに挑戦することでした。
その想いが形になる大きなきっかけは、コロナ禍にありました。

ご家庭で料理をする時間が増え、「本当に美味しいものを」と調理道具にこだわる方が増えている。その一方で、私自身が二人の子育てと仕事に追われる中で常に感じていた「鉄の調理道具は重くて、お手入れが大変」という現実。

この両方を解決できるものを作れないだろうか。「忙しい毎日でも、本当に美味しく、永く使えるものを」。そんな、働く一人の女性としての私の想いを、社員たちと共に試行錯誤を重ねて形にしたのが「TANZO」です。

じっくりと火を入れ、素材が持つ本来の美味しさを最大限に引き出す。それでいて、日々の使いやすさも諦めない。

TANZOが、皆様の食卓にたくさんの笑顔を運び、家族の物語にそっと寄り添う、生涯のパートナーとなれることを心から願っております。